粉ミルクと母乳を比較してみました

赤ちゃんが生まれたら、粉ミルクか母乳かで悩むママも多いようですね。母乳での育児が推進される傾向にありますが、「ミルク育児」と「母乳育児」とでは、何がどう違うのか紹介していきます。

それぞれの特徴

粉ミルクの特徴は?

現在の粉ミルクは、母乳の代用品として、以前に比べてずいぶんと向上しており、母乳と比べて大差のない育児ができるようになっています。栄養面でも母乳にかなり近いと言われています。

粉ミルクの大きな特徴は、母乳に少ないビタミンK、ビタミンDを含んでいるという点でしょうか。ビタミンKは、赤ちゃんが体内で止血するために重要なものですが、胎盤を通りにくいため、赤ちゃんが妊娠中のママからもらえる量はごくわずかなのです。

また、骨の成長に欠かせないビタミンDですが、近年の女性の食習慣や生活習慣の変化によって、体内で作られるビタミンDの量が減少しており、母乳に含まれる量も減っていると言われています。これら両方の栄養素を補えるのは、母乳にはない粉ミルクの特徴と言えますね。

母乳の特徴は?

母乳には赤ちゃんが必要とする栄養がたくさん含まれており、消化もよく赤ちゃんのお腹の負担にならないので、飲みたがるだけ飲ませて良いとされています。

また、出産後数日以内の母乳を「初乳」といいますが、初乳には豊富な栄養分と、細菌などから赤ちゃんを守るための免疫成分がたっぷり含まれています。これは、粉ミルクにはない最大の特徴と言えます。この初乳は少ししか出なくても、なるべく赤ちゃんに飲ませてあげましょうと言われています。それだけ、貴重な免疫成分なのですね。

それぞれのメリット

粉ミルクのメリットとは?

粉で作るミルクは、赤ちゃんの飲んだ量がはっきりと分かります。1度の授乳で必要量に達していなくても、1日のトータルで補えれば良いなど目安にもなります。また、ママ以外の家族が授乳できるため、身体を休める事ができ、パパが授乳育児に参加できるという大きなメリットがあります。その他にも、赤ちゃんの腹持ちが良いためよく眠る、体調を崩した時に気にすることなく薬を飲めるなどがあります。

母乳のメリットとは?

母乳特有の免疫成によって病原体から赤ちゃんを守る事が出来る、ママの子宮の回復が早い、哺乳瓶の洗浄・消毒をする手間がかからない、産後のダイエットにつながるなどがあります。

それぞれのデメリット

粉ミルクのデメリット

母乳と比べると赤ちゃんの免疫力が不足する可能性がある、コストがかかる、調乳の手間や毎回の哺乳瓶の洗浄・消毒が面倒などがあげられます。

母乳のデメリット

乳房のトラブルが起こることがある、赤ちゃんを預ける事が難しい上に、外出先での授乳に気をつかう、赤ちゃんがビタミンK欠乏性出血症にかかりやすくなるなどがあります。

まとめ

粉ミルクも母乳も、それぞれに多くのメリットがあります。近年推奨されることの多い母乳育児ですが、粉ミルク育児に何か問題があるわけではありませんし、現在の日本の粉ミルクは、かなり母乳に近づいています。ママやその家族の状況に応じて、選択してもよいのではないでしょうか。